ぬいぐるみにガムが付着したときは、焦らず段階的に処理することが重要です。
ガムは粘着力が強く、繊維の奥に入り込むと無理に取ろうとしても生地を傷めてしまいます。
ここでは、ぬいぐるみの素材を守りながらきれいにガムを除去するための、安全で確実な方法を解説します。
目次
Step1:ガムを冷やして固める
まずはガムを硬化させて剥がしやすくするのが基本です。
柔らかいまま触ると、粘着が広がり被害が拡大します。
方法A:冷凍庫で冷却
- ぬいぐるみを密閉袋(ジップロックなど)に入れる。
- 冷凍庫で1〜2時間冷やす。
- 取り出したら、プラスチック製スプーンの縁やギター用ピックなど、角が丸い道具でそっと削り取ります。
方法B:保冷剤や冷却スプレーを使用
ぬいぐるみが大きくて冷凍庫に入らない場合は、
- 保冷剤をタオルで包んで15分程度当てる
- またはエアダスターの逆さ噴き(冷却スプレー)で局所的に凍らせる
どちらでもOKです。
Step2:残ったベタつきを除去する
ガム本体が取れた後も、微細な粘着成分が毛の根元に残ります。
これを除去しないとホコリを吸着して黒ずみの原因になります。
方法A:中性洗剤で拭き取り
- ぬるま湯200mlに中性洗剤(食器用)を2〜3滴混ぜる。
- 柔らかい布または綿棒を浸し、ガム跡を叩くように優しく拭く。
- 濡らした布で洗剤を拭き取り、乾いたタオルで水気を吸収。
熱いお湯はNG。ガムが再び溶け出して広がる恐れがあります。
方法B:軽いベタつきが残る場合
70%アルコールを綿棒に含ませ、目立たない場所で色落ちテストをしてから点的に使用。
処理後は必ず水拭きして残留を防ぎましょう。
Step3:色付きガムの染料を落とす
ガムの色がぬいぐるみに移った場合は、酸素系漂白剤(液体)を薄めたもので「点たたき」します。
使用前に必ず目立たない場所でテストし、変色がないことを確認してください。
※塩素系漂白剤は絶対に使用しないでください。
Step4:乾燥と仕上げ
- 乾いたタオルで軽く押さえながら水分を吸い取ります。
- 直射日光を避け、風通しの良い場所で陰干しします。
- 乾いた後、柔らかい歯ブラシやペット用ブラシで毛並みを整えましょう。
- 扇風機の送風を利用すると、乾燥時間を短縮でき、カビ防止にもなります。
素材別の注意点
| 素材 | 特徴と注意点 | 最適な処理方法 |
|---|---|---|
| ファー・ボア系 | 毛に絡まりやすく、無理に取ると抜け毛や変形の恐れあり | 冷却→削り→洗剤拭き→ブラッシング |
| フェルト・コットン系 | 水で縮みやすい | 冷却→部分処理のみ(保冷剤法) |
| 合皮・プラスチック部分 | 溶剤に弱い | 冷却→ピンセットで除去。洗剤やアルコールは避ける |
| ウール・レーヨン系 | 摩擦でフェルト化しやすい | 冷却→機械的に除去中心。水分処理は最小限に |
やってはいけないこと
- ガムをドライヤーで温めて溶かす(繊維奥に入り込み悪化)
- 強い溶剤(ベンジン・除光液)を広範囲に使用
- 爪楊枝など鋭利な道具で引っかく
- 高粘着テープで一気に剥がす(パイル抜けの原因)
- 加熱乾燥やアイロン掛け(変形・変色リスク)
専門業者への依頼を検討すべきケース
- ガムが広範囲に付着している
- 縫い目や装飾部分にまたがっている
- 高価・記念品・電池入りのぬいぐるみ
- 家庭での処理で変色やダメージが出た場合
ぬいぐるみ専門クリーニング店では、素材ごとに最適な溶剤と温度で処理してくれます。
まとめ
- 冷やして固めてから削り取る
- 中性洗剤やアルコールで仕上げ処理
- 乾燥は自然風で、毛並みを整える
- 素材に合わせて無理せず安全第一で作業
この手順を守れば、ぬいぐるみを傷めることなくガムをきれいに取り除けます。
焦らず、冷却→除去→仕上げ洗い→乾燥の4ステップを丁寧に行えば、ほとんどのケースで跡を残さず復元可能です。
以上、ぬいぐるみについたガムの取り方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

